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沈黙された時

上野啓子の『マーケティング・インタビュー』(東洋経済,2004)を読んだ。

面白かったのは、著者が沈黙の意味するところをタイプ分けしているところ。

「インタビュー対象者が沈黙する意味」を、以下7種類に分類している。

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(1)呆然の沈黙:
 今まで考えてみたことがないから、何も浮かばない。困った!

(2)不明の沈黙:
 質問の意味がよくわからない。他の人はわかったのかな…

(3)一時停止の沈黙:
 どう答えていいのか分からないから、他の人が答えるのを待とう

(4)嫌悪の沈黙:
 嫌なことを聞かれたな。ちょっと話したくない分野の質問だな

(5)躊躇の沈黙:
 こんなことを言ったら、インタビュアーの人に失礼かな

(6)遠慮の沈黙:
 こんなことを言ったら、インタビュー対象者に失礼かな

(7)自明の沈黙:
 えー、こんな当たり前のことに答えないといけないの。言わなくてもわかるんじゃない

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ただ分類するだけでなく、
沈黙された時にどう対応するかについても、
タイプ別に紹介している。

まずは、沈黙されたら
2~3秒待ってみて、「沈黙ですね~」と言ってみる。(これだけで話し出してくれる人もいる)

そして、沈黙のタイプ別に話しかける。

(1)の場合:
 「ちょっと普段は考えないようなことかもしれませんが、
  敢えて考えてみてください。どうでしょう」と切り出す。

(2)の場合:
 「言っている意味がわからなければ遠慮なく言ってください。
  どんなことでもいいですから」と切り出す。

(3)の場合:
 最初は指名せずに待ち、それでも沈黙が続くようなら
 発言の少ない人から「○○さんどうですか?」と指名する。

(4)の場合:
 「答えにくいですか?」と参加者の気持を察知していることを知らせる。

(5)の場合:
 「率直なご意見を言ってくださいね。
  私がこのアイデアを考えたわけではないんですから」と前置きする。

(6)の場合:
 「人はそれぞれ全く違う考え方や感じ方があって当然です。
  ここで人と違う意見を言っても、その人を批判したり、傷つけているわけではありません。
  ですので、ご自身がどう思うかを率直に言ってくださいね。」と言う。

(7)の場合:
 「みなさんにとっては当たり前に事かもしれませんが、
  私に説明するようなつもりで言葉にしてみてください」と言う。


相手に沈黙された時、どうして黙っているんだろうと悩むことがある。
日常生活でも活用できそうだ。
by swanote | 2004-12-09 02:38 | 読破口調
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