都立高校 必修科目「奉仕活動」

チャリティ、ボランティアは、
慈善活動、奉仕活動という言葉よりも、
何となくカタカナ言葉でそのまま日本人に受け入れられた気がする。

そんな時勢に都立高校は、なぜ科目名を「奉仕活動」にしたのだろう。
「奉仕活動」必修科目に=全都立高で07年度から

ボランティアの内容は確かに奉仕活動だが、
自分は、「奉仕活動」と言われると、滅私奉公を強制的にさせられている気分になる。

ボランティアには「自発的な取り組み」という意味がある。

ボランティアだからこそ、寒空の下、
重油で汚された海岸に何万人もの人が集まって、
石をひとつひとつ磨くまでの重労働を成し遂げたのではないだろうか。

今も、台風や地震の被災地に赴いて熱心に働いている人々がいるのではないだろうか。


平成7年度から「奉仕活動」が始まったら、
言葉のイメージが今後変わっていくのかもしれないが、

サボったり嫌がったりする生徒もでる気がする。
強制されるのが嫌で。

また逆に、内申点の為だけに熱心ぶりをアピールする生徒もでる気がする。
単なる授業のひとつ、という認識で、「奉仕活動」の履修を済ませたらオシマイ。



ところで、高校の履修科目には「学習の目的」が必要だが、
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社会で必要とされていることや、人から感謝される喜びを奉仕活動を通じて体験し、
将来の生き方について考えてもらうのが狙い。
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これは、個人が感じることであって、学んだことではない。


「奉仕活動」で、実際に取り組まされたものが、
無意味でツマラナイと感じることだった場合、「社会で必要とされている」とは感じないだろう。

また、「奉仕活動」で、他人から感謝されれば良いが、
感謝されなかったり、自分自身に満足感が生まれなかったりした場合、
「人から感謝される喜び」を感じることは無いだろう。

それに、「将来の生き方について考える」というのは、個人の問題だ。
「奉仕活動」の体験から何かを感じ、それが将来の生き方を考える材料になり得るかは、
個人の適性や、実際の活動内容や出会いなどの運によるところが大きい。

つまり、履修した生徒全員が、
「奉仕活動」の体験から「将来の生き方」について考えるというのは、
飛躍というか、かなり無理がある。


とはいえ、生徒は良い点を取る為に、
「奉仕活動」の体験で、実際に自分が何を感じたにしろ、
「奉仕活動を体験して、これからも人の役に立ちたいと思った」とか
もっともらしくレポートに書くんだろうな。



高校での必修科目にするなら、
「社会との繋がり」を体験学習することが、「奉仕活動」の狙いだと思う。

自分は社会の中の一員であり、無関係なようで人々は皆関わりあっていることを、
実際に社会の中でボランティアを通じて人と接することで学ぶんだと思う。

その体験から喜びを感じたらラッキーだし、
これからも社会と関わっていきたいと思ったら、大成功。

でも、「奉仕活動」を通じて何を感じようが、
「人間はみんなで助け合いながら生きているんだ」
ということが生徒に分かれば、学習の目標は達成できたことになると思う。



ちなみに、この「奉仕活動」が生まれちゃった理由は、これらしい。
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背景には、通学せず仕事にも就かず、職業訓練も受けていない
「ニート」と呼ばれる若者の増加があるという。
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…ニート?

ニートを検索したところ、
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「ニート」とは
“Not in Education, Employment, or Training”
の頭文字を取ったものからきており、
“働こうとしないし学校にも通っていない。
仕事につくための専門的な訓練も受けていない人たち。”
と定義されています。
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ということが分かった。

この問題って、
高校の「奉仕活動」が必要とされている問題なんだろうか?


2004年11月1日に野村総合研究所が報告した
「ニート」に関するアンケート結果や考察を見つけた。

「ニート」の増加に対して9割を超える人が危機意識!~ NRIが行ったアンケート調査では、90%近くの人が、今後、「ニート」は増加すると考え、92%を超える人が「ニート」の増加が社会に大きな影響を及ぼすと回答~

この考察部分には、
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「ニート」の増加は大きな社会問題であり、
就労や教育問題の視点のみで捉えるのではなく、
社会の安全、経済政策や社会保障制度の再整備、などの構造的問題として捉え
取り組んでいくことが不可欠であると考えています。
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と「教育」の文字は見えるが、
これは、家庭での教育や義務教育のことだ。

高校教育は、義務教育じゃないです。
ということは、あまり問題視されていないみたいですが???

あ、わかった。
高校教育こそがボランティアで、自発的に「奉仕活動」を必修科目にして、
「ニート増加問題」の解決に参加したいのですね?
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by swanote | 2004-11-12 04:02 | 反応
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